「心霊写真」って撮ったことありますか?
それっぽい写真はたま〜にある。何気なく撮った風景写真の一部が人間の顔に見えたり、集団写真に変な手足や顔が混じっていたり。
ほとんどは光源の具合やフィルムの感光時に問題がある、なんてことをプロのカメラマンから詳しく説明されたことがあるが・・・。
だがそんな理由じゃなく、本当に説明不可能な不気味なものが写ることがあるのだ。
高校時代、学園祭の展示コーナーに「心霊写真」を掲載しようという立案があって、実際に心霊写真を撮りに行ったことがあった。中心となったのは担任の先生で、けっこうオカルト好き。手始めに夕方の学校でバシバシ写してみたが何も写っていない。
そこで近所のお墓へ夜中に集まって撮影会をしてみたが、やっぱり何も写っていなかった。これじゃぁ展示ができないというんで、心霊スポットとして有名な青木ヶ原樹海へ行ってみようということになった。
樹海に着いたのは夕方だった。道路や散策道に入って100枚ぐらい写しただろうか。翌々日、現像写真を受け取りに行った友人が青い顔で戻って来た。そう、見事な心霊写真が撮れていたのだ。
現像された写真のうち、2割が心霊写真だった。マジックで囲まなければわからないような心霊写真でじゃない。誰がどう見ても不気味な心霊影像がくっきり写っていたのだ。
そのどれもが、被写体に必ず人間が入っていた。つまり、わたしたちが樹海で撮影していた時、心霊写真を撮りながらふざけ半分に友だちを写したりした。それらの写真に限って無気味な物が写っていたのだ。
友人の体に半分溶け込んでいるハゲた中年男や、まるで引きずり込むように両足をガシッと掴んでいる女や、何人もの霊体が紙屑みたいに固まって浮かんでいる写真。手に持っているのも嫌になるような心霊写真がごっそり撮れた。
その年の学園祭はおかげさまで「心霊写真コーナー」が大反響。女子生徒の中にはその写真のせいで体調を崩したという人もいたぐらいだ。ちなみに、展示が終わったらそれらの写真はきちんと供養して処分する予定だったが、誰かに持ち去られて所在がわからない。
で、それ以来、心霊写真を撮ってみたいという人にわたしは薦めるのだ。
心霊写真を撮りたいなら有名な心霊スポットへ行くこと。
心霊を撮りたい、と思わずに何気なく写すこと。
被写体に必ず生きた人間を入れること。
後に祟られる場合があること。
以上、上手な心霊写真の撮り方。
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