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怖い話 何かがいる
学生時代、玉川の辺りに一人暮らししていたことがある。 精力があり余っている年齢だから、毎日のように友人と夜遊びをしては真夜中に帰宅することが多かった。 暮れも押し迫ったある冬のことだ。忘年会と称して毎晩飲み歩いていたわたしは、泥酔寸前で友... -
怖い話 真夏の怖い話
ある真夏の出来事だった。 その日は雲一つない晴天で、午前中からすでに30℃を超えていた。蝉の声も忙しく聞こえ、道路の照り返しも眩しかった。 わたしはちょっとした野暮用で休暇をとっていた。午前中に用事を済ませ、昼頃にはひとり自宅に戻ってゴロゴロ... -
怖い話 山寺の坊さん
世の中には霊魂を信じる人がいる。 逆に全く信じていない人も大勢いる。 現代科学の分野でその存在を証明した人は誰もいない。(と、思う) では人の死後、その霊魂を極楽浄土へ導く仕事の僧侶達は信じているのか? 仏教の開祖・釈尊はその「霊魂」という存... -
怖い話 ボイラー
シャンプーしている時、背中に視線を感じたことはありませんか?・・・誰にでも一度は覚えのある嫌な経験だろう。子供の頃にはよくあった。目をつむった無防備な状態でひとり「風呂」という密室にいる不安感。そんな心の動揺が生んだ妄想。 大人になってか... -
怖い話 泣く山
北陸のある村に仕事で訪れたことがある。 電車もなければバスも1日に一本しか走らないという過疎村で、見かける村人は畑仕事をしている年寄りばかり。仕事の関係でわたしはその村のある民家に泊めてもらったのだが、年甲斐もなくホームシックになりそうな... -
怖い話 青木ヶ原樹海の悪霊
ある知り合いに誘われて青木ヶ原樹海へ自殺者の捜索にでかけたことがある。捜索・・・とは名ばかりで、実は自殺者の遺体を回収しに年に一度地元の消防団や警察が樹海へ探索に入るのだ。樹海には遊歩道が設けられていて、夏などはとても気持ちいい。だが、... -
怖い話 沖縄戦没者の幽霊
わたしの母校は仏教系の高校だった。誰もが般若心経をソラで暗唱できる。できなきゃ単位がもらえない。般若心経を暗唱できなければならない理由は修学旅行にある。 我が母校の修学旅行は毎年「沖縄」だった。沖縄と聞いてなにを想像する?南の島・楽園・島... -
怖い話 幽体離脱
幽体離脱の話しはよくある。それから金縛りとか。金縛りの場合は人間の「脳」に関係があるなどと言われているが、本当のところどうなのか・・・。 わたしは幽体離脱も金縛りも数回経験した。金縛りは不快だった。眠りたいのに目が覚め、しかも身体の自由が... -
怖い話 勝手に乗るな
神社に勤めていた頃の話。お祓いをしにやってくる参拝客もいれば、こちらから出向く場合もある。ある日お祓いを頼まれたので、依頼者の家まで行くことになった。 依頼人の悩みは「祟り」だった。その家の子どもさんが原因不明の病気で長らく寝たきりとなり... -
怖い話 廃屋の結婚式場
3年ぐらいまえ、仕事の関係で廃業した大型結婚式場を視察することになった。バブル崩壊のあおりを受けて倒産した結婚式場は、売れる物以外は全て建物内に放置された状態だった。 視察に行ったのはわたしと不動産屋を含めた計6人。裏手の通用口から中に入る...