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浮世の怖い話 死にたくない
不景気が続くと弱小企業の経営は厳しい。リストラされたり、ボーナスや残業手当をカットされたり。経営者もかなり厳しい選択を迫られることもある。これは数年前、弟から聞いた本当のお話。 弟は地方の個人経営の会社に勤務していた。社員は二十数名。経営... -
怖い話 留守番電話
ちょっと前の電話器は、留守番電話を録音するためのカセットが入っていた。最新の電話を買った時、古い電話を取り外したのだが、壊れていないのでしまっておくことにした。半年ぐらい前、新しい電話のノイズがひどくなったので、古い電話器を取り出して仮... -
怖い話 不気味な話 古本
何年か前、絶版になってしまったマンガを探しに水道橋の古本屋街をハシゴしたことがある。 ビルとビルとの間に歴史を感じさせる小さな古本屋があって、何気なく入ってみると、目当てのマンガが全シリーズ揃って置いてあり、わたしはは嬉しくなって全巻買い... -
不思議な話 歪んだ場所│マンションの怖い話
ある友人が携帯電話を持たなくなった。それから、引っ越したばかりの都心のマンションを引き払って、高給で待遇も良かった大手の企業を退職し、田舎の民家を買いとって自家製の野菜を作り、日雇いのアルバイトをしながら暮らすようになった。 彼はコンピュ... -
怖い話 雪の夜
雪が降ると、子どもは嬉しいもの。 誰も足跡をつけていない真っ白な雪の上を歩いたり、雪遊びをしてみたり。 これは私が子どもの頃、弟と一緒に体験した話だ。 その日は朝から雪が降っていた。私と弟は外で遊びたくてウズウズしていたが、雪がやむまで待ち... -
怖い話 エレベーター
よく遊びに行く、仲のいい友人がいた。 友人は10階建てマンションの9階に住んでいて、仕事が終わった後 今から遊びに来ないか? と誘うのだ。暇な時はわたしもその誘いに乗って、よく友人のマンションに遊びに行ったのだが、マンションに着くのはいつも... -
怖い話 真夏の怪奇│山中湖の怖い話
これは学生時代、山中湖で住み込みのバイトをしていた時のお話。 バイト先は山中湖の平野という場所にある大きな民宿だった。民宿とは言え、利用するのは大学や高校の夏合宿がメインで、体育館やテニスコートなどもあり、規模的にはかなり大きなもの。ここ... -
怖い話 ポッキー
その日、わたしは親戚の法事に招かれ、山あいの集落を訪れていた。法事のあと宴会で盛り上がり、帰り支度を始めたのは夜の7時頃。この時間なら最終バスに余裕で間に合う。 民家もまばらな道を歩いて行くと、街灯の下にバス停らしきものが見えた。バス停に... -
怖い話 お礼参り│お地蔵様の怖い話
ある友人が赤ちゃんを産んだ。これは、その友人が体験した不思議で怖いお話。 友人sの赤ちゃんはとても元気な子で、風邪ひとつひいたことがなかった。ところが、5カ月を過ぎた頃から夜泣きが酷く、母親であるsは毎日睡眠不足に悩まされるようになった。 ... -
怖い話 常連客│喫茶店の怖い話
お昼休みに、いつも立ち寄る店があった。 職場の近くで値段も手頃だし、ランチもけっこう美味しかったので、同僚と一緒に毎日のように利用していた。広いガラス張りの店内は、昼休み時間ということもあっていつも混雑していたのだが、その中に、必ず同じ窓...