怖い話 金縛り

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今年は新年の初夢から同居人が金縛りに遭遇。

元旦の夜、12時近くなって布団に入りウトウトし始めた頃、寝室に誰かが入ってくる気配を感じて目が覚めた。その気配はわたしの枕元までスゥッ・・・と近付くと、目をつむったままのわたしの顔をじっと見つめている。

ドキッとして目を開く。

そこに立っていたのは同居人の我が伴侶。

我が家ではお互いのいびきがうるさいので、別々の寝室を使っている。

こんな時間にどうしたのかと訝っていると、自分が寝付くまで隣に座っていて欲しい、と言う。
新手の嫌がらせか?なんてこと考えたが、相手の顔つきは真剣だ。訳を尋ねると、とても怖い金縛り体験をしたのでひとりではとても眠れない、と言うのだ。

同居人は幽霊とか心霊とか信じないタイプの人間だ。エンターテイメントとして楽しむことはあっても、絶対に信じない。ひとりで眠れないから側にいて欲しいなんて、我が伴侶にはあり得ないと思っていた。

伴侶の体験した金縛りはこうだ。

気持ちよく眠りにつこうとすると部屋の中で子供の話声が聞こえる。数人から数十人の子供がひそひそ声で話しをしていて、やがて部屋中を歩き回る。それから伴侶の顔や髪を触る。そんな状態ではとても眠れないので起き上がろうとするのだが、全身が硬直して動けない。目も開かない。もがいて、もがいて、やっとのことで起き上がると、部屋の中には誰もいない。

いわゆる「金縛り」ってやつだと伴侶も思ったらしい。体は眠っているのに脳だけが覚醒しているから起きる現象だ、そう考えてストレッチ体操をしてから横になる。ところが、また同じ状態の金縛りに遭う。子供達の声がして、部屋中を歩き回り、自分の顔や髪を触る。

金縛りから抜け出し、体操して眠りにつき、また同じ金縛りに遭う・・・・そんなことを2時間のうちに3〜4回繰り返しているうち、無性に怖くなったのだと言う。

仕方ないから伴侶の寝室に行って枕元に座ってやった。わたしが側にいることで安心したのか、相手はほんの数分後にはいびきをかき始めた。ところが、同時に「家鳴り」が始まった。温度や湿度の変化で家屋がピシッ、とかパキッ、とか鳴る現象だ。場合によっては「ラップ音」と呼ばれることもあるが、あの晩はまさに「ラップ音」だった。数秒に一回、部屋のあちこちでピシッ、パキッ、と鳴るのだ。

わたしは伴侶の枕元に座ったまま、時計を眺めていた。ラップ音は一時間半鳴り続けた。よく聞いていると、それらの音は部屋の中でデタラメに鳴っているのではなく、わたしたちの周囲をゆっくり右回りに回りながら鳴っているようだった。

温度や湿度による「家鳴り」ならそんなことはあり得ない。今夜はここに「何かがいる」と思った。こういう時どうしたらいいか・・・お経を読むとか、お祓いの呪文を唱えるとかあるが、怒るのが一番いい。とにかく、目に見えない「何者か」に対して「心底気分を害された」と怒り、消えろと強く念じる。

睡眠妨害もいいところだという怒りも相乗して、わたしが強くそう考えたのを境に「家鳴り」はピタリと治まった。伴侶もスヤスヤと眠りにつき、やっと自分の寝室に戻ってベットに入ると、わたしのベットの中に何かがいる。

びっくりして布団をめくると、30㎝位の赤い蛇がとぐろをまいていた。

どこから入ってきたものか、電気毛布の暖かさに引き寄せられてここで冬眠するつもりだったのか。

可哀想なので、真夜中に発泡スチロールを使って蛇の冬眠用ベットをこしらえた。

あの「家鳴り」の正体はこの蛇だったのか?今年は財運に恵まれそうな気がする。ウソのようなホントの話し。

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