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怖い話-人形の怖い話(5)
人形の怖い話を最初から読む場合は(1)へ 夢を見なくなった代わりに、彼女は実体の無い「何か」に怯えるようになった。 それはマンションの同じ部屋に確実に同居していて、目には見えないが、彼女と背中合わせにピッタリくっついて、息を殺しているのだ... -
怖い話-人形の怖い話(4)
人形の怖い話を最初から読む場合は(1)へ 年寄りのように古びてしまったおみっちゃんに気付いたのは、不審な人影を見た日からひと月ばかり後のことだった。勤務中に実家から電話がかかってきて、祖母が突然亡くなったという訃報を聞いた。彼女はそのまま... -
怖い話-人形の怖い話(3)
人形の怖い話を最初から読む場合は(1)へ 仕事が終わった後、彼女は一度帰宅したのだが、あいにくシャンプーを切らしていたことを思い出して近くのコンビニまで買い物に出かけた。時間は午後の8時頃。買い物を済ませてマンションに入ると、女の人がエレベ... -
怖い話-人形の怖い話(2)
前回までの話を読む場合は(1)へ 足早にエレベーターを降りながら、中の女性が一緒に付いてくるのではないかという恐怖に怯えた。だが、女性はそのまま閉まるエレベーターの扉に消えた。内心ホッとし、自室に戻ってシャワーを浴びて布団に入ったが、なか... -
怖い話-人形の怖い話(1)
人形 「にんぎょう」・・・・「ひとがた」とも読む 一年の約半分にあたる6月30日と12月30日、大きな神社では紙製の人形(ひとがた)を信者に配り、その身の穢れ(けがれ)を人形に移す「禊祓い(みそぎばらい)」を行う所もある。 人形に移されたそれぞれの「穢... -
怖い話 廃墟ホテルの不思議
廃墟にまつわる怖い話はたくさんある。 廃墟にとどまる多くの浮遊霊が仇をなすとか、その場所で非業の死を遂げた者たちがあの世へ引きずり込もうとするとか・・・。 面白半分に廃墟に出入りして肝試しをする若者や、廃墟を撮影して商売をする者もいる。 時... -
怖い話 言霊
日本人は「言霊」というモノを意外と信じている。言霊とは、言葉が何かしらの力を宿し、実際にこの世で暮らす我々に様々な影響を及ぼす存在である、という密やかな認識。ゲンを担ぐ、なんてことをよく聞くが、一般的な言葉の中にもゲンを担いだものがあり... -
海水浴場
ある家族が海水浴に出かけた。 父親が子供の頃、両親や兄弟と一緒に毎年泳ぎに行った小さな海水浴場。自分にも子供が生まれ、そろそろ海水浴に連れて行ってやろうということになり、家族四人で出かけることになった。 父親と母親、6歳になる長女と3歳の次... -
怖い話 病院の人
4人部屋の病室に父が入院していた。 新しい病院だから部屋は明るく、設備も整っている。部屋にはトイレと洗面台が備え付けられていて、同じ部屋の人間が共同で使用する。 父がその部屋に入院したとき、部屋には二人の入院患者がいた。父は窓側のベットに寝... -
怖い話-本屋さん
もう潰れてしまったのだが、昔、よく利用していた馴染みの本屋があった。 田舎町にある小さな本屋。 店を切り盛りしているのは娘さんと、そのお母さん。 ふたりとも笑顔が明るく、親切で、働き者だった。 ある時、わたしはどうしても欲しい専門雑誌があっ...