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怖い話-本屋さん
もう潰れてしまったのだが、昔、よく利用していた馴染みの本屋があった。 田舎町にある小さな本屋。 店を切り盛りしているのは娘さんと、そのお母さん。 ふたりとも笑顔が明るく、親切で、働き者だった。 ある時、わたしはどうしても欲しい専門雑誌があっ... -
怖い話 青木ヶ原樹海の怪奇
これは、青木ヶ原樹海を深夜にドライブしていた時体験した、背筋も凍るお話。 その日、わたしは友達と二人で夕食を食べ、そのままドライブを楽しんでいた。わたしたちの車が青木ヶ原樹海にさしかかったのは、深夜2時を過ぎていたと思う。 樹海の中を貫く国... -
怖い話 お墓参り
親戚のおばさんが、毎日墓参りするようになった。 数年前、病気で他界したご主人の墓前で、おばさんは毎日、真剣に手を合わせていた。 近所の人や、親戚は、よほどご主人のことが大切だったのだろうと、信心深いおばさんのことを感心した。 だが、わたしは... -
怖い話 祟り
祟りとは恐ろしいもの。 ワケがあるからこそ祟られる。 日本の神様は恐ろしいもの。 だからこそ人々は祭り、あがめ、その神威を称える。 崇められなくなった神様は、時に、不可解な出来事で人を呼び戻す。 ・・・・わたしの実家のかたすみに、小さな屋敷神... -
怖い話-釣り人
ある地方の村で起こった話をしよう。 その村は、山中に這うように細長く民家が点在する、いわゆる寒村だ。 人口は少ない。 当然、子供も少ない。 村に住む少数の小学生たちは、山道を4Kmも下った小学校まで毎日歩いて登校していた。小学校までの道のりは、... -
怖い話-中古車
わたしが自動車免許を取得したのは、18才の春だ。免許をとれば、当然、自分の車が欲しくなる。アルバイトで金を貯め、中古の軽自動車を近所のディーラーで購入したのは、その年の冬のことだった。 走行距離8000キロ、事故の経歴もなく、車内も新車同様に綺... -
怖い話-生霊
生霊・・・というのを信じるだろうか? 日本では意外となじみの深い言葉。人々の心の奥底に今でもひそかに信じられているもの。一番有名な生霊は源氏物語に登場する「六条御息所」だろうか。 光源氏の恋人として物語の前半から登場する彼女は、その嫉妬深... -
怖い話-見てはいけないもの
怖いもの見たさ・・・という言葉がある。 見れば怖いとわかっているのに、ついつい覘きたくなるもの。お化け屋敷、占い、ホラー映画etc・・・いつの世も盛況な商売だ。 ところで、本当に見てはいけない というモノもある。世代にかかわらず、代々言い伝え... -
怖い話 乗せてって・・・
ある冬のことだ。わたしは伊豆の天城峠付近をドライブしていた。別に目的があったわけじゃない。なんとなく南伊豆にでも行ってみようと思っていた。 天城峠にはトンネルが二つある。ひとつは現在の国道に作られた新天城トンネル。もうひとつは、有名な「伊... -
怖い話 戻りたい・・・
どこかへ出かけたとき・・・たとえば旅行先や近所等どこでもいいが・・・むやみに「石」を拾ってはいけない、と言われる。日本人はもともと「自然信仰」が根深い民族だから、「樹木」や「石」「山」「川」「洞くつ」のように、自然界が産んだ様々なものに...